このところマクロ撮影に凝っている。
昨日、練習のつもりで連写した写真を並べて、ぼんやりと眺めていたら、浮き出て見えるではないか。手持ちで連写している間に起こった微妙なカメラ位置のズレが、偶然にも立体写真の要件を満たしていたというわけだった。
そこで、ステレオグラムを作成してみた。

左右の目を寄り目にして、左の目で右の写真、右の目で左の写真を見るようにすると、立体的に見える。
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この写真はガガンボのような昆虫がツワブキの花の蜜を吸っているところ。口器(人間の口に相当する器官)が、クラリネットのように長くのびている。頭のほとんどが目。よく見ると、なかなかによい横顔じゃないか。翅も光沢があって美しい。
図鑑で調べたところ、昆虫の種名はハエ目ヒメガガンボ科のクチバシガガンボ(Helius tenuirostris)の可能性が高い。もしかしたら近縁種という可能性もある。翅の長さは7ミリくらい。
一方、ツワブキだが、フキによく似た感じの植物ながら、全くの別種だそう。フキと同様、茎を食べることができると、ものの本に書いてあった。ただし、入念なあく抜きが必要。
ツワブキは、晩秋から初冬にかけて黄色い花を咲かせる。どう見ても虫媒花、つまり受粉するのを昆虫に助けてもらうタイプの花だ。
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ツワブキ(2018年12月、東京・新宿区)
昆虫というと寒い時期には活動していないと思われがちだが、それでは冬に咲く花は実をつけることができない。
南関東辺りでは12月でも日中、昆虫が活動するのに十分な気温がある。こうしてヒメガガンボ君が来てくれるおかげで、ツワブキは無事に結実することができ、ヒメガガンボの方も飛びつづけるエネルギーを補給できるという、お互い様の関係になっているのだろう。
撮影地は東京、高田馬場近くの公園。

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