妻の気晴らしを兼ねて昼ごはんを食べに、近所へ出かけた。歩いていると、家々のあぢさいがきれいだ。
「あぢさいの色が土の酸性アルカリ性で決まるというのは、ガセネタっぽいよね」と、わたし。
「え?!そうなの?学校の理科の授業でアジサイの咲いている土の酸性アルカリ性を調べたことあったよ。酸性だと青で、アルカリ性だと赤って、リトマス試験紙の色が。」
妻よ、あなたの記憶は混乱している。
リトマス試験紙の色の変化は、赤く変色すると酸性、青く変色するとアルカリ性と判定される、のだ。
ややこしいことに、あぢさいの色は真逆で、一般に、酸性土壌では青く、中性からアルカリ性では赤っぽくなる、と言われてきた。
その理由も明快で、色素のアントシアニンにアルミニウムが結合すれば青く発色するが、結合しなければ赤い。アルカリ性土壌ではアルミニウムの吸収が阻害されるため、赤くなるのだと。これはほぼ園芸界の常識らしい。

しかし、見ればすぐに気づく筈だ。実際に咲いているあぢさいの色が、同じ場所でも実に変化に富んでいることに。常識が正しいなら、30センチも離れれば酸性土壌とアルカリ性土壌が不連続に並んでいるのが普通ということになる。そんなバカな。

ものごとの真実はそんなに単純ではない。もっとたくさんの要素が絡んで、あのあぢさいの色はできるらしい。一番たいせつなことは、生きているということ。化学反応の寄せ集めでは、理解できませんよ、ね。

これってテレビのネタになったことあるのかな。

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